外国人を不法就労させないための2つの確認

外国人を不法就労させないための2つの確認

2018年、国が2025年までに50万人の外国人労働者を受け入れるという目標を掲げました。そのため、今後外国人を雇用する機会も多くなっていくでしょう。

しかし、外国人労働者の中には「不法就労」に該当する人もいます。彼らを雇用すると「不法就労助長罪」に問われ、最長3年の懲役、最大300万円の罰金を科される可能性があります。罰されない外国人雇用を始める前に、しっかりと「不法就労」に関して認識しましょう。

不法就労とは

日本政府の定義により、不法就労となるのは次の3つです。 

  1. 不法滞在者や被退去強制者が勤務するケース
    • ビザがない、つまり密入国の人
    • 在留期間が切れた人(例:ビザの期限が終わって更新手続きを行わないまま日本に滞在する人)
    • 犯罪や水商売の従事などの理由で強制退去が決まった人
  2. 出入国在留管理庁(旧:入国管理局)から就労許可を受けずに勤務するケース
    • 観光ビザで働く人
    • 国から就労不可と判断されたにも関わらず働く人
  3. 出入国在留管理庁(旧:入国管理局)から認められた範囲を超えて働くケース
    • 就労許可以外の仕事をしてしまう人
    • 許可された労働時間より長く働く人

このような人たちを雇わないように、在留カードで「2つの確認」を必ずしてください。

不法就労の外国人を見分ける2つの確認

外国人が不法就労かどうかを見分けるのに、在留カードの提示が大切です。在留カードは、入国管理局から外国人へ発行する身分証明書です。日本に中長期滞在する外国人全員に与えられます。原則として、在留カードをもっていない外国人が働くと不法就労となります。

しかし、在留カードの偽造が年々増えていて、インターネットやSNSで販売されている場合も見受けます。そのため、応募した外国人の在留カードが本物かどうか確認する必要があります。

在留カードが本物であるかどうかの確認

外国人の在留カードが本物かどうか確認する必要があります。次の3つの方法で確認をしてください。

在留カードが本物であるかどうかの確認
  1. 在留カードを傾ける
    まずは、在留カードを手にとって上下左右に傾けて次の3つに不備がないかの確認をしましょう。
    • 絵柄がグリーン色に変化
    • 左端がピンク色に変化
    • ホログラムが3D的動きをする
  2. 在留カードの透かし文字を確かめる
    暗いところで在留カードの表面から強い光を直に当てて透かして見ると「MOJMOJ……」の透かし文字が見えます。
  3. 在留カードの番号を調べる
    出入国在留管理庁のWEBサイト「在留カード等失効情報照会」では、在留カードの番号をはじめとした必要事項を入力すると、入力されたカードの番号が失効していないかを確認することができます。

くわしくはこちらの記事:偽造された在留カードを利用させないために

「就労制限の有無」の確認

在留カードの表面の真ん中に就労制限を記載されています。よく見る5つを紹介します。

就労制限なし

就労制限なしの在留資格は「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の4つです。就労時間の制限もなく、パートでも正社員でも雇用形態を問わず勤務可能で、ほとんどの仕事に問題なく就くことが可能となります。

在留資格に基づく就労活動のみ可

在留資格の申請時に出入国在留管理庁(旧:入国管理局)に提出した職務内容以外の業務を従事するのは原則的に禁止されます。 

それ以外の仕事をすると、就労制限の違反で不法就労となります。 

指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可

主には「技能実習生」の就労制限となります。

こちらは、業務内容だけでなく勤める機関(会社)まで指定されています。たとえ同じ業務でも別の会社で仕事してしまうと「不法就労」にあたりますので気をつけてください。

指定書により指定された就労活動のみ可

日本に滞在し、ある活動(報酬受けられる活動も含む)を行う人に「特定活動」という在留資格を付与します。特定活動の内容によって、就労制限が違います。そのため、 特定活動の内容を必ずパスポートにある指定書を確認してください。

例えば「就職活動」のためにビザを取得した人は、就職活動のみできます。また「ワーキングホリデー」という活動は、休暇目的で日本に滞在しますが、滞在期間の資金を補うため勤務時間制限なしで勤務可能です。 

くわしくはこちらの記事を:ワーキングホリデーの外国人の雇用方法と採用に関する注意点

就労不可

日本で働くために来たわけではない人には就労不可の制限を設けます。その人たちの在留カードには「就労不可」と記載されています。「留学」「家族滞在」「研修」などの在留資格はすべて就労不可に分類されます。

働きたい場合は「資格外活動許可」を取得しないといけません。そのため、在留カードの裏面の下に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」というスタンプが押されているのかを確認してください。

また、彼らのパスポートにも「資格外活動許可」の紙を挟んであるので、提示してもらうのも確認方法の1つです。

くわしくはこちらの記事を:外国人留学生雇用に関しての法律上の注意点4つ

不法就労助長罪

「不法就労助長罪」

就労制限を超えて働かせると事業者が不法就労助長罪に問われ、最長3年の懲役、最大300万円の罰金が科される可能性があります。例えば、2017年には派遣会社の社長がベトナムの留学生4人を「不法就労」させたため、2年の懲役と200万の罰金と判決されたことがありました。

また、不法就労の外国人を雇用した事業者だけでなく、仕事を紹介したあっせんの者や、不法就労の外国人に住居を提供した者も不法就労助長罪に問われます。

外国人を雇用したあとの手続き

外国人を雇用するたびに、ハローワークに外国人雇用状況の届出を提出する義務があります。また、退職する際も必要となります。

提出をしないと、1人あたり最大30万円の罰金が科される可能性があります。なお、提出した情報に不備がある場合も罰金されますので注意してください。

まとめ

外国人雇用の際は、不法就労助長罪に十分に気を付ける必要があります。そのため、外国人の採用が決まる前に、在留カードが偽造でないかと就労制限をしっかりと確認をしましょう。