在留資格「特定活動」の種類や雇用にあたる注意点のまとめ

在留資格「特定活動」の種類や雇用にあたる注意点のまとめ

外国人が日本で働くには、日本での就労を認める在留資格を取得する必要があります。

ただし、外国人が日本で行う活動はさまざまで、現存する在留資格に分類できない場合があります。そのような活動に従事するために来る外国人に対して「特定活動」の在留資格を付与します。

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在留資格「特定活動」とは

「特定活動」は在留資格のひとつです。在留資格とは、外国人が日本に行う活動に基づいた付与する資格のことで、それによって日本でできる就労活動が異なります。

しかし、外国人の活動は多種多様で、すべての活動を在留資格に当てはめることはできません。そのため、「技術・人文知識・国際業務」や「留学」や「永住者」などの在留資格に該当しない活動の受け皿として、「特定活動」という在留資格が設立されました。

「特定活動」の活動内容とは?

特定活動とは法務大臣が個々の外国人について指定する活動です。大きく3種類あります。

  1. 法定特定活動:入管法(出入国管理及び難民認定法)に定められた特定活動。2022年3月時点では3つの活動内容がこちらに当てはまります。
  2. 告示特定活動:法務大臣の告示により指定された特定活動。2022年3月時点では47活動内容がこちらに含まれます。
  3. 告示外特定活動:上記のほか、法務大臣が指定した特定活動。

それぞれの活動内容を下記の文章にて詳しく説明します。

在留資格「特定活動」が設立された理由とは?

外国人の受け入れを速やかにするためです。

新しい在留資格を設立するには、入管法の改正が必要となるので時間がかかってしまいます。いっぽう、特定活動で日本の在留を認める場合は、法務大臣が決めることができるので、法改正する必要がありません。

新しい在留資格を創設するより、「特定活動」を設立する方が外国人を受け入れやすいためです。

在留資格「特定活動」雇用時の注意点

「特定活動」外国人雇用にあたる注意点

活動内容の前に、まず「特定活動」という在留資格を保有する外国人を雇用する際の注意点を理解しましょう。

在留資格「特定活動」の場合、外国人は法務大臣に指定された活動内容のみに従事できます。活動内容によって就労制限が異なるため就労可否の判断が難しいです。

そのため「特定活動」の外国人を雇用する際は、以下のポイントに注意して就労可否の判断を行いましょう。

「特定活動」の種類を確認

「特定活動」にはさまざまな活動種類あります。公表されている法定特定活動と告示特定活動だけで合計50種類。加えて公表されていない告示外特定活動もあります。ひとつひとつの活動内容や在留期限が異なり、就労制限もバラバラです。

その中で、本来働くことのできない外国人を雇ってしまい、不法就労助長罪に問われる可能性があります。そうならないためにも「特定活動」の外国人を雇用する際は、各活動ごとの就労制限の確認に細心の注意を払いましょう。

また、外国人雇用の専門家や専用サービスの利用で雇用を検討することをおすすめします。

就労制限を指定書に確認

上述の通り「特定活動」は種類によって就労制限が異なります。見分ける方法として、指定書の確認がおすすめです。指定書とは出入国在留管理庁によって指定された活動内容が記載されている書類であり、基本的に外国人のパスポートに添付されています。

就労不可の場合、指定書に「報酬をうける活動を除く」「収入を伴う事業を運営する活動を除く」など「金銭収入を受けることができない」という意味合いの文言が記載されることが多いです。

就労不可の指定書の例
就労不可の指定書の例

また、就労が認められる場合でも就労時間に制限が設けられる場合があります。指定書に「原則28時間以内の就労」の記載があると、1週間に28時間以上働かせることはできません。

正しい就労制限を見極めるために、「特定活動」の外国人雇う際に在留カードだけでなく指定書の確認を行うようにしましょう。

3種類「特定活動」を徹底解説

「特定活動」には、「法定特定活動」、「告示特定活動」、「告示外特定活動」の大きく3種類があります。それぞれ従事できる活動と就労制限が違います。

1.法定特定活動

法定特定活動とは、入管法に規定された活動のことです。こちらに該当する活動は下記の3つとなります。

特定研究等活動法務大臣が指定している日本の企業・教育機関・政府機関において、特定の分野に関する研究や研究への指導などの活動
特定情報処理活動法務大臣が指定した機関に情報処理関連の活動
特定研究等家族滞在活動・
特定情報処理家族滞在活動
上記のいずれかの「特定活動」を所有する外国人の配偶者や子どもに許可される在留資格。「家族滞在」の在留資格と似ていて、日本で仕事したい場合「資格外活動許可」を取得する必要がある

2.告示特定活動

法務大臣が告示した「特定活動」です。2022年3月時点で50号までありますが、うち3つが削除されたため、実質存在する「特定活動」は47種類になります

1号外交官・領事館の家事使用人
2号2号の1:高度専門職・経営者等の家事使用人
2号の2:高度専門職の家事使用人
3号台湾日本関係協会の在日事務所職員とその家族
4号駐日パレスチナ総代表部の職員とその家族
5号5号の1:ワーキングホリデー
5号の2:台湾人のワーキングホリデー
6号アマチュアスポーツ選手
7号6号のアマチュアスポーツ選手に扶養されている配偶者あるいは子
8号外国人弁護士
9号インターンシップ
10号イギリス人ボランティア
11号削除
12号短期インターンシップを行う外国の大学生
13号削除
14号削除
15号国際文化交流を行う外国の大学生
16号インドネシア人看護研修生
17号インドネシア人介護研修生
18号16号のインドネシア人看護研修生の家族
19号17号のインドネシア人介護研修生の家族
20号フィリピン人看護研修生
21号フィリピン人介護研修生(就労あり)
22号フィリピン人介護研修生(就労なし)
23号20号のフィリピン人看護研修生の家族
24号21号のフィリピン人介護研修生の家族
25号医療・入院
26号25号で治療を受ける者の日常生活の世話をする活動
27号ベトナム人看護研修生
28号ベトナム人介護研修生(就労あり)
29号ベトナム人介護研修生(就労なし)
30号27号のベトナム人看護研修生の家族
31号28号のベトナム人介護研修生の家族
32号建設労働者
33号在留資格「高度専門職」で在留している外国人の配偶者の就労
34号高度専門職外国人あるいはその配偶者の親
35号造船労働者
36号研究・教育者あるいは、研究・教育に関する経営者
37号情報技術処理者
38号36号、37号の活動で在留する者に扶養される配偶者又は子
39号36号、37号で在留する者あるいはその配偶者の親
40号観光・保養
41号40号で在留する外国人の家族
42号製造業に従事する者
43号日系四世
44号外国人起業家
45号44号外国人の扶養を受ける配偶者又は子
46号4年制大学又は大学院の卒業生でN1以上の日本語力を有する者
47号46号で在留する外国人の扶養を受ける配偶者あるいは子
48号東京オリンピックの関係者
49号48号で在留する外国人の扶養を受ける配偶者あるいは子
50号スキーインストラクター

下記にはよく見かける告示特定活動をピックアップし解説します。

ワーキングホリデー

ワーキングホリデー協定を結んでいる国の18~30歳の国民のみ申請できる「特定活動」です。2022年3月時点で、オーストラリアや台湾を含めた23国・地域が日本とワーキングホリデー協定を締結しています。

休暇目的で来日し、その間の旅行や生活のお金を補うため、また日本の文化を体験するために、就労が認められています。また、労働時間に制限なく、ほとんどの仕事に従事することができます。

くわしくはこちらの記事:ワーキングホリデーの外国人の雇用方法と採用に関する注意点

インターンシップ

外国の大学の学生が、職務経験を積むために日本の企業で1年以内のインターンに参加する活動です。

インターンシップの外国人は、原則として決まった企業での就労のみ認められているので、アルバイトは難しいでしょう。

サマージョブ

外国の大学の学生が、夏休みを使って日本企業に働く就労活動です。就労期間は最長3ヶ月となります。

インターンシップと同じ、サマージョブの外国人は、決まった企業での就労のみ認められます

外国人造船就労者

外国人造船就労者の受け入れは、高い国内生産率を維持して日本の輸出を支えている造船業が、急速に回復してきた生産期間を逃さないように、人材を確保する緊急的な措置です。

外国人造船就労者は造船業務に従事することが可能です。それ以外の業界の仕事に従事することは禁止されています。また、期限的な措置ですが、具体的な期限は明記されていません。

製造業外国従事員

製造業外国従事員の受け入れの制度は、日本の製造業の国際競争力を強化するため、また、日本での生産技術を外国に普及させるため設立されました。

製造業外国従事員は製造業の支社に所属する必要があります。そして、日本の本社で技術・知識を勉強することができます。そのため、外国人が決まった企業における製造業務のみに従事することが許可されています。

特定活動46号

特定活動46号の導入によって、日本の大学・大学院から卒業・修了した留学生を、高い日本語能力と大学で学んだ知識を活用して日本で就職することが可能となりました。特定活動46号は、日本語を使って翻訳・通訳の業務がメインですが、それに付随する単純労働に従事することも可能です。

外国人が特定活動46号を取得するのに、日本の大学を卒業する必要があります。また、ビジネスレベル以上の日本語能力も必要です。

3.告示外特定活動

先ほど紹介した特定活動に該当しない活動が告示外特定活動に該当します。具体的には、以下のような場合、告示外特定活動が許可される可能性があります。

  • 留学生が卒業後に引き続き就職活動を行う場合
  • 難民認定申請を行っている場合
  • 在留資格更新が不許可になった場合の出国準備期間

留学生が卒業後に引き続き就職活動を行う場合

日本の大学や専門学校を卒業した後、留学生が引き続き就職活動を行う場合、「特定活動」の在留資格が許可されることがあります。

この場合の「特定活動」は大学・大学院を卒業後、就職活動を継続する者に発行される「継続就職活動大学生」と「技術・人文知識・国際業務」に該当する分野の専門学校を卒業後、就職活動を継続する者に発行される「継続特定活動専門学校生」の2つに分類されます。

これらの「特定活動」の外国人は基本的に就労不可です。ただし、資格外活動許可を得ている場合のみ、例外として週28時間以内の就労が可能になります

資格外活動許可の有無は、在留カードまたは指定書から確認できます。また雇用中も週28の就労時間制限を超えないよう細心の注意を払い管理していきましょう。

難民認定申請を行っている場合

難民認定申請を行っており、かつほかの在留資格に当てはまらない場合、その外国人に「特定活動」の在留資格が許可されることがあります。

就労制限に関しては難民認定の審査状況によって異なり、就労制限のない場合とそもそも就労不可のものもあります。ただし、外国人の在留カードに記載される在留資格は変わりません。

そのため、難民認定申請の特定活動外国人を雇用する際の注意点として必ず指定書を確認してください。指定書に記載されている活動内容と就労制限をしっかり見極め、就労不可の外国人を雇用しないよう気を付けましょう

また、難民認定申請の場合、「特定活動」の在留期限が6か月や3か月になるパターンが多いです。そのため在留期限の管理を適切にしながら雇用を行いましょう。

在留資格更新が不許可となった場合の出国準備期間

在留資格更新が不許可となった場合、出国準備期間として「特定活動」の在留資格が許可されます。

在留期間は通常30日間です。ただし現在の仕事の契約上の都合などで30日間での出国が困難な場合は、2〜4か月に延長されることもあります。

出国準備の「特定活動」では原則就労不可になります。しかしこの期間に就労しようとする外国人もいるため面接の際は、指定書の特定活動の条件を必ず確認するようにしましょう。

まとめ

「特定活動」とは、現在ある在留資格に分類できない活動を従事する外国人に与える在留資格です。特定活動の内容によって、就労制限が異なりますので、彼らを雇用する前に、在留カードとパスポートの指定書にしっかりと確認する必要があります

ただし、「特定活動」にはいろいろな活動がありますので、すべてを把握するのがなかなか難しいかもしれません。そのため、専門家や入国管理局に相談する、もしくは専用のアプリを用いたほうがおすすめでしょう。