外国人労働者の問題と解決策を徹底解説

外国人労働者の問題と解決策を徹底解説

外国人労働者を受け入れることによって「問題」を感じたことはありますか?
今日本では、在留外国人が増えています。そのため雇用の機会が多くなることは当然です。それだけでなく、インバウンドやエンジニアなど多方面でニーズが高まっています。そのような中で、コミュニケーションの壁や煩雑な法律に苦しんだ人も多いのではないでしょうか。

そこで、まずは外国人労働者の現状とどのような問題があるのかを把握しましょう。主には、文化の違いと雇用・法律の複雑さが原因となっています。この記事では、企業が抱える外国人労働者の問題とその解決策についてを知ることができます。そして今後、外国人労働者を日本企業の力にしていきましょう。

外国人を雇用する前に知っておくこと

実際に、日本でどれだけの外国人が働いているのかご存知でしょうか?多くの人が「飲食店やコンビニでよく見る」程度だと思います。まずは、現状を知りましょう。

外国人労働者は年々増え続け、10年の間で3倍にもなりました。現在は最高記録を更新しており、約146万人が日本で働いています。
その背景として、国の政策が大きな要因となっています。例えば、2019年4月に設立された「特定技能」という在留資格。これは人手不足を解決するために、優秀な外国人を積極的に受け入れようというものです。

実際に、外国人観光客の対応を中心としたインバウンド対策や、若い人材が不足しているエンジニアのニーズは高まっています。外国人労働者の受け入れを、積極的に行っていく動きが活発になっていることがわかるでしょう。

外国人労働者の現状

2019年1月に厚生労働省が発表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(2018年10月時点)」では、外国人労働者は約146万人と過去最高を更新したとありました。これは、10年前である2008年の49万人の約3倍となっています。

また、雇用する事業所は約216万ヶ所となっており、これも過去最高記録となっています。背景として日本の労働人口が不足していること、さらには少子高齢化となってきたことがありますが、外国人労働者を受け入れる体制が活発化してきたことがわかります。

今後さらに拡大する外国人雇用

今でも外国人労働者の数は非常に多いことは、飲食店やコンビニでも見かける機会が多くなったことからも明らかでしょう。

背景は様々ありますが、国の政策は大きな要因のひとつとなっています。例えば、2008年に発表された「留学生30万人計画」。これにより、日本語教育機関や受け入れる大学・高校などが増えました。2020年までを目標にしていましたが、2017年にすでに達成しています。

さらに、2019年4月から施行されている改正出入国管理法。「特定技能」という新しい在留資格を設立し、深刻な人手不足を解消するために優秀な人材を積極的に受け入れようというものです。これは「技能実習生」からの移行も視野に入れています。これまで在留資格は、技術や専門性のある外国人の就労を促進するものがほとんどでしたが、そうでなくてもできる「単純労働分野」にも対象が拡大されています。

このように、留学生や特定技能の在留資格を有する人は増えていき、日本での雇用も拡大していくことでしょう。

ニーズが高まっている外国人労働者

では、外国人労働者のニーズはどのようなところにあるのでしょうか。代表的な2つを紹介します。

■インバウンド需要
ここ数年、外国人観光客が増加しています。日本政府観光局によると2019年には3,188万人を達成しました。政府の対策により、2020年までに4,000万人までに伸ばすことを目標としています。そこで、人手不足だけでなく外国語対応などの需要がある小売、飲食、レジャー、交通などの業界には需要があるでしょう。

■エンジニア需要
経産省の発表によると、2030年には40~80万人のエンジニアが不足すると言われています。国内人材のコストははますます高騰しており、採用が難しくなっています。そこで、目を向けられたのが海外のエンジニアです。現在日本でもベトナム、中国、インドの人材を中心に活躍しています。接客業とは違い、日本語力があまり必要でないこともメリットのひとつでしょう。

外国人労働者の問題とは

外国人労働者の問題とは

外国人労働者を受け入れる動きは活発になっていますが、問題があるのも事実。実際に雇用した企業の多くが痛感したのではないでしょうか。

特に入社後の育成やコミュニケーションの取り方などで苦労した人は多いはず。企業のアンケートによると8割以上の人がそのような経験をしています。

さらに、最近ニュースでも見かける「不法就労」という言葉。実際に逮捕に至るケースも多くなっています。その後の書類の提出や労働時間の管理などを怠っても同様です。これらは「知らない」「わからない」では済まされません。大きな問題のひとつと言っていいでしょう。

不法就労者が増えている

ニュースで「不法就労」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?許可されていない在留資格で働いてしまったり、労働時間の制限を守らないことなどを指します。これは法律違反にあたるので、発覚したら罰が科されます。場合によっては、在留資格が取り消されたり、強制退去して以降5年間は日本に来ることができなくなります。

法務省によると、平成29年度に強制退去手続きを執った外国人13,686人のうち約67%の9,134人が不法就労者とのことです。

不法就労者を雇った場合は、「不法就労助長罪」として雇用主も3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。「知らなかった」「気付かなかった」という場合でも同様なので十分に気を付けましょう。

人材育成の苦労

株式会社スタディストが、5年以内に外国人労働者の育成に携わった735人の男女を対象に行った「外国人労働者の育成に関する課題調査」によると「8割以上が外国人労働者の育成に苦労した」と答えていました。

その理由の大半を占めたのが、「コミュニケーションが取りづらい」「口頭での指示が伝わらない」というものでした。言語の違いが壁となっていることがわかります。そのほかにも、生活習慣の違い、時間にルーズというような異文化に戸惑うことも多いとのこと。

生まれた国や環境が違えば当然のことではありますが、言語や文化の壁は大きく苦労する人が多いのでしょう。

雇用・労務管理の手間がある

「不法就労助長罪」にならないために、雇用時やその後の労務管理が必要になることは日本人を雇う時との大きな違いでしょう。 まず、雇用前の段階で在留資格や在留期限を見て就労可能かを確認しなくてはなりません。

くわしくはこちらの記事:「就労不可」は採用NG?1分で就労可否を見分けられるコツ

そして、雇用が決まったら「外国人雇用状況の届出」をハローワークに提出します。これを怠っても罰になります。これは、退職時も同様に提出します。

さらに、在留資格によって就労時間の制限がある人は限度を越えていないかの確認も必要になります。これらは日本人を雇う時とは大きく違うので「手間」と感じる人も多いでしょう。

外国人雇用問題の解決策を知る

外国人雇用問題の解決策を知る

外国人労働者の受け入れには問題や壁がありますが、さきほどの株式会社スタディストのアンケートによれば9割以上が「今後外国人労働者が担う役割は増えると思う」と回答しています。つまり、問題を解決すれば外国人を雇う価値は大きいということです。

そのためには、まずメリットを知りましょう。特に思考や文化が違うことを活かして、職場内に良い環境を与えることは雇用しないとわからないことです。お互いの国の文化を知ることや理解することも視野が広がるひとつの施策として重要です。

また、大きな問題のひとつである「不法就労」については知識を身に着けることが防止する第一歩です。最近ではクラウドサービスを導入する企業も増えています。

外国人雇用のメリットを知る

まずは、外国人労働者を受け入れることによって得られるメリットを知りましょう。人員が確保できることはもちろんですが、それ以外にも以下の3つがあります。

①海外進出の足掛けとなる
海外進出を考えている企業は、外国人材は必要不可欠と言っても過言ではありません。特に進出を予定している国の人材を雇用することで、その国の文化や風習を知ることができたり、市場調査や現地での採用の場面で活躍するなどが期待できます。

②異文化の発想を取り入れることができる
生まれ育った国が違うと、考えや発想が変わってきます。そうなると日本人では思いつかないような斬新なアイディアや施策が出てくる可能性があるでしょう。きっと一緒に働く人たちにも良い刺激になり、思考の幅も広がることでしょう。

③社内の雰囲気が活発になる
外国人労働者は、まじめで向上心のある人が多いです。停滞している雰囲気やマンネリ化しているルーティン作業などが活発化する可能性もあるでしょう。

ほかにも、顧客への外国語対応が可能になることや若い人材が多いこともメリットです。

不法就労について知る

「不法就労」について知ることにより、雇用主が罰されるリスクを大幅に軽減することができます。これを恐れて外国人雇用ができていないのであれば、上記のようなメリットを得ることができず勿体ない状況になっている可能性があります。不法就労として取り締まられる主な要因は次の3つです。

①在留期限が切れているのに働いている
採用面接や契約の際に必ず在留期限を確認しましょう。 期限がすぎている場合は不法就労だけでなく、不法滞在になります。

②適切でない在留資格で働いている
在留資格を確認して、自社で働くことができるかを確認しましょう。 働くことのできる業種が変わってきますが、これを間違えると不法就労となります。

③制限時間を越えて働いている
在留資格によっては、1週間の就労時間が制限されている場合があります。 特に外国人留学生は年々増えており、日本でも雇用の機会が多くなっています。この場合、1週間に28時間以上働かせてしまうと不法就労になります。(ダブルワークの場合は合計時間が超えないように)

これらは「知らなかった」場合でも、雇った場合は「不法就労助長罪」になります。知識を身に着けてリスクを軽減をすることはもちろん、最近では社労士やクラウドシステム導入などで防ぐ企業も増えています。

お互いの文化を知る

外国労働者を受け入れることによって「文化の違いに戸惑った」という人も多いでしょう。特に「あいさつ」や「時間を守る」などをもともと知らないという外国人もたくさんいます。そこで、まずはそれらについて知ってもらうことが大切です。もちろん一方的に知ってもらうだけでなく、相手の国の文化も知ることも重要です。 お互いの文化を知ることで理解を深めて、良い関係性を作っていきましょう。

まとめ

外国人労働者の問題と解決策についていかがでしたでしょうか。 多くの問題は、コミュニケーションや文化の壁と不法就労にありました。まずは雇用前に就労可能かを確認すること、雇用後は「外国人雇用状況の届出」の提出や、就労時間の管理をすることが不法就労をさせない基本となります。そして、お互いに文化や言語の壁を乗り越えるべくコミュニケーションを密に取っていくことが重要です。

外国人労働者の受け入れは決して「問題」ではありません。むしろ職場が活発になったり海外進出のきっかけになるなどの「チャンス」となり得ます。外国人労働者数が過去最高になっている今、チャンスを逃さないよう外国人雇用を積極的にすすめていくことをおすすめします。