外国人労働者の在留資格の変更・期間更新について!企業側は何をすべき?

外国人労働者が日本で働き続けるには、在留資格に変更があったり、在留期間の更新が必要だったりした際、必ず出入国在留管理庁に申請しなければなりません。

ただ、企業が行うべきことは何なのか、詳細がよくわからないという場合もあるのではないでしょうか。

そこで、この記事では在留資格の変更や期間更新に必要な申請書や料金、期間、必要書類なども含めて詳しく解説します。

違いを確認!「在留資格」と「在留期間」

まずは、在留資格と在留期間の違いについて見てみましょう。

ちなみに、在留期限とは外国人労働者にとっての身分証明書である在留カードの有効期限であり、在留期限と在留カードの有効期限は同じ意味です。

在留資格の変更とは

日本に在留している外国人は、在留資格の種類によって活動できる範囲が決まっています。そのため「出入国管理及び難民認定法(入管法)第20条」により、在留資格を取得した当時の活動内容ではなく、ほかの内容に変えたい場合には決められた期間内にあらためて申請をしなければなりません。これは「ビザ変更」と呼ばれることもあります。

くわしくはこちらの記事:就労ビザの申請の流れや注意点をチェック

在留資格の変更を行わずにほかの活動をした場合は不法就労、つまり法律違反です。場合によっては日本からの強制退去になってしまうので、変更は必ず期限内に行いましょう。

在留期間の更新とは

在留期限まで継続して同じ仕事を行い、在留資格自体の変更はしない状態で引き続き滞在する場合、在留期限までに期間の更新手続きをする必要があります

在留期間が6ヶ月以上あれば、更新申請は期間満了の約3ヶ月前から行うことが可能です。「高度専門職2号」と「永住者」を取得している場合は、在留期限の2ヶ月前から手続きを行うことができます。

また、長期出張や入院が必要な場合は3ヶ月以上前から申請を受け付けてもらえる場合もあるので、状況に応じて問い合わせてみましょう。

くわしくはこちらの記事:在留カード更新はいつ?|必要書類とタイミングを解説

「在留期間更新許可申請書」とは

在留資格は「期間限定で日本に滞在し、活動ができる許可」のことです。そのため、必要な際には期間満了前に法務大臣に在留期間を更新したいという申請を行い、許可を得る必要があります。

こちらは、在留資格の変更は行わず、期間のみを延長するというものであり、在留期間更新許可申請書はその申請の際に使用する書類のひとつです。

申請期間は?申請の料金は?

在留資格の更新は、必ず期間満了日前に行わなければなりません。もし、期間満了後になっても在留資格の更新を行っていなかった場合、その外国人労働者は不法残留していることになってしまいます。

在留期間は外国人の在留資格の種類や活動できる内容によって変わりますが、在留カードの本人写真左側に記載されているので、あらかじめ確認しておくほうが安心です。

在留期間内に申請をきちんと行ったとしても、出入国在留管理庁の審査が混雑しており、期限内に結果が出ないケースもあります。このような場合は、在留期限が2ヶ月間延長されるため、不法残留にはなりません。

在留資格の更新を申請する際、手数料として4.000円支払いますが、現金ではなく収入印紙で用意しなければならないので間違えないようにしましょう。

更新申請をしてから許可されるまでの流れ

在留資格の期間更新は「外国人本人」もしくは「行政書士など取次者」が地方出入国在留管理局の窓口まで足を運んで行います。その際、必要なのは在留期間更新許可申請書、本人写真、在留カード、パスポートもしくは在留資格証明書です。資格外活動許可を取得している場合その許可書の提出も必要です。また、取次者が申請を行う場合その人身分証明書も必要。

申請後に書類審査が行われ、問題がなければ出入国在留管理庁から更新を許可する通知書(ハガキ)が届きます。審査にかかる期間は、約2週間~1ヶ月となります。在留資格を取得した後に転職していた場合は約1~3ヶ月です

届いた通知書を持参し、再び地方出入国在留管理局まで本人もしくは取次者が足を運び、新しい在留カードを受け取って手続きが完了になります。更新費用として4,000円を収入印紙で支払うため、郵便局やコンビニにてお忘れなく事前に用意しましょう。

必要書類について

在留資格の更新にあたって必要な書類をまとめました。

ここでは、更新の際にどのような書類を提出しなければならないのかについて詳しく解説します。

外国人本人が準備する書類

外国人本人が用意しなければならないものは、在留期間更新許可申請書や写真(縦4cm×横3cm)、パスポートや在留カードの原本、在職証明書です。また、直近1年間の住民税課税証明書や納税証明書も必要なので、あらかじめ用意しておきましょう。在留期間更新許可申請書は、地方出入国在留管理官署に用紙が用意されていますが、法務省のホームページから取得することもできます。

本人写真は申請する3ヶ月以内に撮影したもので、正面を向き、無帽、無背景で鮮明であることが条件です。写真の裏側には本人の氏名を記載し、申請書に貼り付けてください。

さらに、在留資格を取得した際に「日本語能力特例特定機関の条件適合通知書」の写しを提出したうえで許可を得た外国人労働者は、日本語能力証明書や児童の日常生活上の世話・必要な保護に関する業務を行わせない旨の誓約書も必要です。日本語能力証明書は、日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの実力を持っているという証明書の写しを提出してください。

企業側が準備する書類

「技術・人文知識・国際業務」「高度専門職」など、いわゆる就労ビザと呼ばれている在留資格を更新する場合、企業規模によって提出すべき書類がことなります。カテゴリー1に該当する機関の場合、四季報や日本の証券取引所に上場している事実証明ができる文書、主務官庁から設立許可を受けた旨を証明する文書の写しなど、カテゴリー1に属する企業であることが証明できる書類が必要です。

カテゴリー2の場合は、受付印がある前年分給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計表、在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を証明できる文書(利用申出に関して承認したというメールなど)を用意しなければなりません。カテゴリー3の場合は、受付印のある前年度給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が必要です。

カテゴリー区分・所属機関所要書類
11.日本の証券取引所に上場している企業
2.保険業を営む相互会社
3.日本又は外国の国・地方公共団体
4.独立行政法人
5.特殊法人・認可法人
6.日本の国・地方公共団体認可の公益法人
7.法人税法別表第1に掲げる公共法人
1.四季報や日本の証券取引所に上場している証明書などのコピー
2前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,500万円以上ある団体・個人1.前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
3前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)1.前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
2.住民税の課税証明書
3.納税証明書
4上記のいずれにも該当しない団体・個人1.住民税の課税証明書
2.納税証明書

更新の手続きに必要なもの

申請の審査が無事に終わり、地方出入国在留管理局から通知書が届いたら、新しい在留カードを受け取ることができます。取りに行く際は通知書のほか、申請時に受け取った申請受付票、パスポート、在留カード、収入印紙4,000円分を貼り、申請人のサインを入れた手数料納付書が必要です。

新しい在留カードを受け取ったら、古いほうのカードは提出しなければなりません。ちなみに、更新の申請が不許可になった場合は通知書ではなく「お知らせ」という封書が届き、決められた期間内に申請者本人が出入国在留管理局に出頭する旨が記載されています。

審査基準は?

在留資格更新の審査基準も習いましょう。

在留資格の更新に関する審査の基本は入管法です。ほかにも、法務省が定めた規則や省令、告示、ガイドライン、内部文書の通達・審査要領などによって提出された書類がチェックされます。

審査の基準については、一般公開されているものとされていないものがあるため、公開されているものに関してクリアしていても、必ず審査に通るとは限りません。一般公開されていないもののひとつには審査要領があります。しかし、こちらは情報開示制度にあたるため、開示請求をすることでどのようなチェックポイントがあるのか確認可能です。

たとえば「現在の活動実態が在留資格の内容に沿ったものであるか」「素行不良ではないか」「きちんと納税しているか」「適切な雇用・労働条件であるか」「将来的にも世帯が安定した生活を継続できるか」といったことがチェックされます。

また、在留資格を取得した際に発行された在留カードについて、所持していることが確認できる状態であるかどうかも必ず確認されます。これらの審査基準のなかでも、納税や届出、社会保険に加入しているかどうかは客観的にも判断しやすいものです。義務を守っていない場合には在留資格の更新を拒否される可能性があります。

プロに申請を代理で行ってもらうことも可能

在留資格の更新には必ず書類による審査があるため、不備があった場合は書類の再提出をしたり、更新自体を拒否されてしまったりする可能性があります。

もし、在留資格の更新に必要な申請に関して不安な場合は、行政書士のような専門的な知識と経験が豊富なプロに代理で行ってもらうことも可能です。例えば、他社で在留資格を取得した外国人労働者を雇用しており、自社で初めての更新をする場合があります。在留資格に関して未経験でわからないことも多いため、ミスを避けるためにプロの手を借りるといったケースです。

ほかにも、在留資格の更新をしなければならない時期に長期出張が入っており、自分で更新に行けない場合に依頼したという例もあります。更新時期はできるだけ日本国内にいることが望ましいですが、海外出張を避けられない場合もあるでしょう。

そのような場合、在留資格、再出入国許可を確認し、更新期間に日にちの余裕があるという条件をクリアしていれば問題ありません。ただ、日本に戻る日が在留資格の期間ギリギリだった場合は、再入国する際に問題となる可能性があるので注意が必要です。

許可されなかったらどうすればいい?

在留資格の期間更新を申請しても、必ず許可を得ることができるわけではありません。在留期間の更新をするためには複数の審査基準をクリアしなければならないため、それらすべてを実行していなければ許可をもらうことができないからです。特に、在留期間内に更新申請をしなかったことで許可が下りなかったというケースが少なくありません。

ただ、期間内に申請ができなかった理由が天災や出入国在留管理庁が休みの期間だったという場合には、それを考慮して更新が許可されることもあります。しかし、そういった理由ではなく、ただ更新しなければならないことを忘れていた場合は「不法残留」という法律違反となり、日本からの強制退去になってしまうので注意が必要です。

申請が不許可になっても再度在留資格を申請することはできますが、最初に申請したときよりも審査が厳しくなると考えておいたほうが良いでしょう。そのようなケースでは、自力で許可を得るまでが困難になるため、プロに任せたほうがスムーズに進めやすいです。

この場合は「在留期間更新許可申請」ではなく「在留資格変更許可申請」に変えることで許可を得ることができる可能性が出てきます。在留資格の種類を変更するため、申請内容変更届出書を提出しなければなりません。

再度申請をしないと強制退去になる可能性も

再度在留資格の申請を行わず、不許可となった外国人が1~2ヶ月以内に日本を出国する意思がある場合に限り、強制退去といった処置にならないこともあります。これは、外国人本人の自発的な出国を促すための仕組みです。

まずは、在留資格を「特定活動」に変更する手続きを行い、変更の許可を得ます。出国するまでに準備期間があるため、それまでは法律を犯すような行動をとらないように過ごさなければなりません。「特定活動」の期限内に日本から出国する必要があり、在留期間を過ぎているにもかかわらず日本から出国しない場合は、強制退去となります

「特定活動」に変更し、自ら出国した場合でも再び来日できるのは最短1年後になります。その際、在留資格取得の申請も可能ですが、不許可になったという報告例は少なくありません。申請許可を得るためには、帰国後数年経過後に申請するという覚悟でいたほうが良いでしょう。

強制退去で帰国した場合は、原則5年間、複数回の不法残留となったことがある場合は10年間、再来日することができません。それより短い期間で再来日を希望する場合は「上陸特別許可」を申請することになりますが、こちらは許可を得るのが非常に難しいものです。

強制退去から2年以上過ぎてから申請したとしても、審査自体に最短6ヶ月かかるといったケースも珍しくありません。このように、在留資格の更新期間を守らなかった場合は来日自体が難しくなるので、期間は必ず守りましょう。

外国人本人だけでなく企業も気をつける必要がある!

在留資格の期間更新に関する申請は、不許可になるケースもあります。不備なく申請を行うことができるように、外国人労働者本人だけではなく、企業側も細心の注意を払わなければなりません。在留期間内に更新申請をしなかった場合、不法残留となり、強制退去することになります。

在留期限が近い外国人労働者には、必ず更新申請を行うように指示・確認をしましょう。また、更新した在留カードは回収して保管する必要があります。