外食業技能測定試験とは|外食業における「特定技能」

外食業技能測定試験とは|外食業における「特定技能」

2019年4月より在留資格「特定技能」が新設されことにより、外食業界で、一定程度の技能・知識を有する外国人労働者を受け入れることが可能となりました。

一定程度の技能・知識を持っているかの評価基準は、外食業界の場合「外食業技能測定試験」に合格できるかどうかにより決定します。外食業技能測定試験とはどのような試験なのか、合格するとどのようなスキルが身に付くのかをまとめました。

特定技能評価試験とは

「特定技能」の在留資格を取得するためには、外国人が「技能実習2号」を修了すること、もしくは「特定技能評価試験」に合格することのいずれかを満たさないといけません。

特定技能評価試験は、 国の監督の下、各分野の職種や業種の業界団体が作成し、合格すると外国人が各業種の仕事に従事する技能を有すると認められます。

外食業技能測定試験とは

外食業における特定技能評価試験は、外食業技能測定試験と呼ばれます。

試験の内容は、日本フードサービス協会が作成しています。日本フードサービス協会とは1974年に設立された、800社の会員がいる外食産業関連における最大規模の組織です。

試験は接客全般、飲食物調理、衛生管理の3科目から出題されます。また、筆記試験に加えて、外国人の技能水準を全面的に把握するため実技試験も設けています。

試験内容を詳しくみてみましょう。

接客全般

接客、食、店舗管理、クレーム対応、緊急時の対応に関する知識が含まれます。合格すると、外国人が接客、もしくは店舗管理の業務に必要とされる基本な知識を有すると認められます。

くわしくはこちら:「特定技能1号外食業技能測定試験 学習用テキスト【接客全般】」

飲食物調理

食材、下処理、調理方法、調理機器・器具・備品など、調理場での労働安全衛生に関する知識が含まれます。合格すると、外国人が調理場で仕事する際に必要とされる基本な知識を有すると認められます。

くわしくはこちら:「特定技能1号外食業技能測定試験 学習用テキスト【飲食物調理】」

衛生管理

衛生管理の基本とプロセス、またHACCP(危害要因分析重要管理点)に関する知識が含まれます。合格すると外国人が日本人の衛生管理の基本知識を習得したと認められます。

くわしくはこちら:「特定技能1号外食業技能測定試験 学習用テキスト【衛生管理】」

配点選択が可能

3種類の配点があります。問題数の変更はありませんが、タイプにより、接客全般と飲食物調理の配点の割合が変わります。受験する外国人が自分の希望職種に応じて配点を選択できます。

  • Aタイプ:標準的な配点で、衛生管理4割、飲食物調理3割、接客全般3割となります。

Bタイプ:飲食物調理主体の配点となります。衛生管理4割、飲食物調理4割、接客全般2割となります。

Cタイプ:接客全般主体の配点となります。衛生管理4割、飲食物調理2割、接客全般4割となります。

外食業技能測定試験の実施状況

2020年3月までに、外食業技能測定試験が国内で合計5回実施されました。直近3回の結果をみてみると、受験した5,922人のうち、3,292人が合格していて、平均合格率は56%となります。

また、ミャンマー、カンボジア、フィリピンなど海外での実施もありました。今後ベトナムやネパールなど、ほかの海外都市での実施も検討しているようです。

日本国内での実施状況

国内では、東京、大阪、名古屋、神戸、広島、熊本、長岡、那覇、金沢など国内のさまざまな都市で実施されています。受験者の数は、2019年9月の370人に対し2020年2月は3,288人になり、約10倍増加しました。

海外での実施状況

2020年4月までに、フィリピンで計4回実施され合計553人、カンボジアでは2回で合計126人、ミャンマーでは1回で40人ほど受験しました。

海外での合格率は約70%なので、国内の合格率と比べると大きく上回っていることが分かります。

外食業技能測定試験の合格証明書

試験後の結果は受験者にメールで通知され、合格証明書は登録された企業の住所へ送付されます。

「特定技能」の在留資格を申請する際に、合格証明書の提出が必要になるため、しっかりと保管してください。もし証明書を紛失してしまった場合、再発行は1回限りとなります。

まとめ

2019年4月に、「特定技能」という在留資格が新設されたことにより、人手不足が厳しい外食業界で、一定程度の技能・知識を有する外国人労働者を受け入れることが可能となりました。

外国人が「特定技能」を取得するには、 一定程度の技能・知識の評価基準でもある外食業技能測定試験に合格しなくてはいけません。

外国人が外食業技能測定試験に合格すると、フロント業務、広報・企画業務、接客業務、レストランサービス業務、安全衛生その他基礎知識5つのカテゴリーに関する知識・技能があると認められるため、雇用する側にとっては、大きなメリットになるでしょう。