
建設業における人手不足に対応するために、2020年4月より「特定技能」という在留資格が設立されました。建設業の特定技能には1号と2号があります。
技能水準を測定するために、「建設分野特定技能評価試験」が創設されました。試験は、特定技能と同じく1号と2号に分かれています。それぞれの試験内容と試験に合格したあとに従事できる業務を解説します。
建設分野特定技能1号評価試験
建設分野特定技能1号評価試験は、外国人が特定技能1号を取得するために受ける試験の1つです。試験に合格すると、建設分野における2年以上の実務経験がある人と同じ程度の技能水準を有すると認定されます。
2020年3月現在、建設分野の11職種で特定技能が導入されているので、試験区分も11種類あります。ちなみに、特定技能の外国人ができる業務内容は合格した試験によって異なるので注意してください。
型枠施工
試験内容:コンクリートを打ち込む型枠の製作、加工、組立て又は解体の作業
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(型枠施工)、または技能検定3級(型枠施工)
左官
試験内容:墨出し作業、各種下地に応じた塗り作業(セメントモルタル、石膏プラスター、既調合モルタル、漆喰等)
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(左官)、または技能検定3級(左官)
コンクリート圧送
試験内容:コンクリートポンプを用いて、コンクリート等構造物の所定の型枠内等に圧送 ・配分する作業
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(コンクリート圧送)
トンネル推進工
試験内容:地下等を掘削し管きょを構築する作業
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(トンネル推進工)
建設機械施工
試験内容:建設機械を運転・操作し、押土・整地、積込み、掘削、締固め等の作業
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(建設機械施工)
土工
試験内容:掘削、埋め戻し、盛り土、コンクリートの打込み等の作業
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(土工)
屋根ふき
試験内容:下葺き材の施工や瓦等の材料を用いて屋根をふく作業
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(屋根ふき)、または技能検定3級(かわらぶき)
電気通信
試験内容:通信機器の設置、通信ケーブルの敷設等の電気通信工事の作業
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(電気通信)
鉄筋施工
試験内容:鉄筋加工・組立ての作業
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(鉄筋施工)、または技能検定3級(鉄筋施工)
鉄筋継手
試験内容:鉄筋の溶接継手、圧接継手の作業
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(鉄筋継手)
内装仕上げ・表装
試験内容:
内装仕上げ:プラスチック系床仕上げ工事、カーペット系床仕上げ工事、鋼製下地工事、ボード仕上げ工事、カーテン工事の作業
表装:壁紙下地の調整、壁紙の張付け等の作業
試験種類:建設分野特定技能1号評価試験(内装仕上げ)、または技能検定3級(内装仕上げ施工)
建設分野特定技能2号評価試験
建設分野特定技能2号評価試験は、外国人が特定技能2号を取得するために受ける試験の1つです。特定技能1号を修了して、かつ試験を合格すると、特定技能2号に申請できます。
2020年3月現在、建設分野における特定技能を導入しているのは11業種あるので、試験区分も11種類あります。こちらも、2号特定技能外国人ができる業務内容は合格した試験によって違いますので注意してください。
型枠施工
試験内容:複数の建設技能者を指導しながら、コンクリートを打ち込む型枠の製作、加工、組立て又は解体の作業に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(型枠施工)、または技能検定1級(型枠施工)
左官
試験内容:複数の建設技能者を指導しながら、墨出し作業、各種下地に応じた塗り作業(セメントモルタル、石膏プラスター、既調合モルタル、漆喰等)に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(左官)、または技能検定1級(左官)
コンクリート圧送
試験内容:複数の建設技能者を指導しながら、コンクリート等をコンクリートポンプを用いて構造物の所定の型枠内等に圧送 ・配分する作業に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(コンクリート圧送)、または技能検定1級(コンクリート圧送)
トンネル推進工
試験内容:複数の建設技能者を指導しながら、地下等を掘削し管きょを構築する作業に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(トンネル推進工)
建設機械施工
試験内容:複数の建設技能者を指導しながら、建設機械を運転・操作し、押土・整地、積込み、掘削、締固め等の作業に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(建設機械施工)
土工
試験内容:複数の建設技能者を指導しながら、掘削、埋め戻し、盛り土、コンクリートの打込み等の作業に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(土工)
屋根ふき
試験内容:複数の建設技能者を指導しながら、下葺き材の施工や瓦等の材料を用いて屋根をふく作業に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(屋根ふき)、または技能検定1級(かわらぶき)
電気通信
試験内容:複数の建設技能者を指導しながら、通信機器の設置、通信ケーブルの敷設等の作業に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(電気通信)
鉄筋施工
試験内容:複数の建設技能者を指導しながら、鉄筋加工・組立ての作業に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(鉄筋施工)、または技能検定1級(鉄筋施工)
鉄筋継手
試験内容:複数の建設技能者を指導しながら、鉄筋の溶接継手、圧接継手の作業に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(鉄筋継手)
内装仕上げ・表装
試験内容:
内装仕上げ:複数の建設技能者を指導しながら、プラスチック系床仕上げ工事、カーペット系床仕上げ工事、鋼製下地工事、ボード仕上げ工事、カーテン工事の作業に従事し、工程を管理
表装:複数の建設技能者を指導しながら、壁紙下地の調整、壁紙の張付け等の作業に従事し、工程を管理
試験種類:建設分野特定技能2号評価試験(内装仕上げ)、または技能検定1級(内装仕上げ施工、表装)
まとめ
建設分野における特定技能は1号と2号に分かれています。そして、求められる技能水準が違うため、試験の内容が異なります。
2020年3月時点で、建設分野の11職種において特定技能が導入されています。したがって、建設分野特定技能評価試験も11種類あります。実際に従事出来る業務は、特定技能1号と特定技能2号では異なるので、注意しましょう。