宿泊業(ホテル・旅館)の特定技能外国人雇用

宿泊業(ホテル・旅館)の特定技能外国人雇用

2019年4月に「特定技能」という在留資格が新たに創設されました。それによって宿泊業における雇用できる外国人材が増えてきました。

「特定技能」外国人は、技能水準と日本語能力水準の両方に満たす必要があるので、即戦力が期待できるでしょう。ただし、雇用にあたる業務内容や雇用期間に関する注意点がありますので、気を付けないといけません。

宿泊業人材の状況

求人倍率を見てみましょう。求人倍率は、求職者1人あたり何件の求人があるかを示すもので、企業にとって高ければ高いほど人材確保が難しくなります。2017年は、宿泊業分野における有効求人倍率が6.15倍となっています。全国平均の1.54倍より、400%くなっています。宿泊業における人手不足は厳しいと言えるでしょう。

さらに、2019年に観光庁が、「観光ビジョン実現プログラム2019」を策定して、訪日外国人観光客の数が2020年4,000万人、2030年6,000万人と設定されました。観光客の増加にともない、宿泊業における人員の需要も高まっています。国によると、2023年までに10万人の人員不足が発生すると言われています。

したがって、宿泊業にとって人員の補足が急務となっています。

宿泊業の外国人材受け入れの必要性

労働人口が徐々に減っている日本にとって、外国人の受け入れは重要です。そのため、宿泊業について一定の専門性・技能を有する即戦力の外国人の受け入れが必要不可欠となります。ここで宿泊業の「特定技能1号」が設立されました。

宿泊業での「特定技能」外国人の即戦力

「特定技能」は、業界において即戦力のある外国人材を受け入れるため設立されました。外国人が宿泊業に関して基本的な知識や技能を有するのが求められています。

また、スキルだけでなく日本人のスタッフと基本的なコミュニケーションが取れることも求められています。仕事を円滑に進められないためです。

ですので、外国人が宿泊業の「特定技能1号」を申請するには、技能水準と日本語能力水準に満たす必要があります。

技能水準:「特定技能評価試験」

「特定技能1号」を申請する外国人が宿泊業において一定の知識・技能が持っているのかをを測定するため、宿泊業分野の「特定技能評価試験」が作成されました。「特定技能評価試験」に合格することは宿泊業の「特定技能1号」を申請する1つの基準となっています。

宿泊業分野の「特定技能評価試験」、いわゆる「宿泊業技能測定試験」は、日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟が共同で作成されました。試験の効果検証は、国土交通省の監督の下に年1回に行っていますので、試験の信頼性が高いと言えます。

「宿泊業技能測定試験」の合格者は、フロント、企画・広報、接客及びレストランサービスなど、様々な業務を行うのに必要な能力があると認定されます。

試験内容は、「フロント業務」「広報・企画業務」「接客業務」「レストランサービス業務」「安全衛生その他基礎知識」の5つの科目となっています。

日本語能力水準

「国際交流基金日本語基礎テスト」のA2レベル、もしくは「日本語能力試験」のN4以上に合格する必要があります。

これらを合格すると、外国人が基本的な日本語を理解することができると認定されます。また、自分の背景や身の回りの状況など、簡単な言葉で説明できるようです。

宿泊業での「特定技能」外国人雇用の注意点

宿泊業での「特定技能」外国人雇用の注意点

宿泊業における「特定技能」外国人を受け入れる際に注意すべき点があります。例えば、その外国人が従事できる業務内容と、受け入れる人数と期間です。注意しながら失敗しない「特定技能」外国人を雇用しましょう。

「特定技能1号」外国人を雇用できる業種

宿泊業分野の「特定技能1号」の雇用できる事業者は、「旅館業法」の第2条第2項に規定される「旅館・ホテル営業」の許可を受けた者となります。

なお、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)に規定された「風俗営業施設」に該当する事業所には就労できません。

宿泊業の「特定技能1号」の業務内容

「特定技能1号」外国人が、「特定技能評価試験」により確認された技能を用いたフロント、企画・広報、接客及びレストランサービスなどの様々な業務に従事することができます。また、その業務に係る関連業務、例えば館内販売や清掃、に従事することも可能です。

しかし、館内清掃やベッドメイクなどの業務は、あくまでも関連業務です。メインな業務として勤務するのが禁止されていますので、要注意です。

「特定技能」外国人の受け入れの期間は最長5年

宿泊業の「特定技能」外国人の受け入れの期間は最長5年となっています。5年以上の雇用は原則的に不可となっていますので、注意してください。

なお、今後「特定技能」外国人の受け入れが停止になる可能性があります。労働生産性の向上も考えて、宿泊分野における2019年からの5年の間の「特定技能」外国人の受け入れの人数上限は、22,000人と決められているためです。

この上限を超えることが見込まれる場合、国が「特定技能」外国人の受け入れを止めることができます。

派遣での雇用は禁止

宿泊業における「特定技能1号」外国人の受け入れは、直接雇用のみとなっています。「特定技能」は中長期雇用を通じて人材の確保を図るために導入された制度ですので、派遣や短期雇用は認められません。

まとめ

宿泊業における人手不足の課題が深刻になっており、即戦力がある外国人の受け入れが重要となってきます。そのため、2019年4月により「特定技能」という在留資格が新設されました。

「特定技能」外国人は日本で3年の実務経験がある人と同じ程度の知識・技能を有すると認定されています。彼らを雇用すると、すぐの活躍も期待できるでしょう。