【偽造在留カードが急増中?!】 在留カード偽造手口の最新情報とその見分け方を徹底解説

【偽造在留カードが急増中?!】 在留カード偽造手口の最新情報とその見分け方を徹底解説

企業が外国人を雇用する際、在留資格や在留期限、特別な就労許可証の有無など、多くの情報を確認する必要があります。そしてそれらの情報は外国人が所有する「在留カード」をもとに確認する場合が多いでしょう。

しかし、近年、偽造した在留カードを所持し不法就労・不法滞在する外国人が増加しています。もし偽造在留カードを提示した外国人を雇用してしまった場合、気付かなかったとしても雇用主は「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。また、偽造の精度も年々高まっており、本物か偽物かの判別が非常に困難になっています。

本記事では近年増加している偽造在留カードの最新情報と、その対策を詳しく解説しております。不法就労のリスクを抑えつつ、外国人雇用を拡大したい企業の採用担当者様はぜひ参考にしてください。

在留カード確認の必要性

偽造在留カードの発覚数は年々増加傾向にあり、偽造の精度も年々巧妙になっています。そのため企業側が外国人を雇用する際は細心の注意を払い対策を行っていく必要があります。

では実際に偽造在留カードはどのくらい増加しているのか、またどのような手口の偽造が増えているのか。本セクションでは偽造在留カードの増加推移と最新の偽造手口をまとめております

在留カードとは

偽造在留カードの解説の前に、そもそも在留カードが何かが分からないという方のために、在留カードの詳細や記載内容などを解説します。

在留カードとは、3ヵ月より長く日本に中長期滞在する外国人に交付される身分証明書です。表面には、外国人の氏名、性別、国籍などの基本情報や、在留資格、在留期間、就労の可否など日本で滞在するうえで必要な情報が記載されており、裏面には、資格外活動許可や指定書の有無などが記載されています。

在留カード表面に記載されている項目は以下の通りです。

・氏名                                 
・生年月日
・性別
・国籍
・居住地
・在留資格
・在留期間、在留期間満了日
・在留カード番号
・就労制限の有無


・在留カード表面

在留カード裏面に記載されている項目は以下の通りです。

・居住地を変更した際の、新しい住所                   
・資格外活動許可の有無
・在留期間更新許可申請の有無


・在留カード裏面

外国人の基本情報のほとんどが在留カードに記載されており、外国人雇用時は基本的に在留カード情報をもとに就労の可否を判断します。また、外国人雇用時の在留カードの確認項目やより詳しい記載内容などは、下記の記事にまとめておりますのでご参照ください。

詳しくはこちらの記事:
【採用担当者必見】在留カードとは?外国人雇用の際の確認ポイントも解説

偽造在留カードの現状

先述の通り外国人雇用の際、在留カードでの情報確認は必須です。しかし近年、その在留カードを偽造して意図的に不法就労をする外国人が増えています。たとえ、偽造されていたと知らなかったとしても雇用した企業は不法就労を助長したとして罪に問われる可能性があります。

不法就労助長罪についての詳しい内容は下記の記事にまとめておりますので、ご参照ください。

詳しくはこちらの記事:
不法就労助長罪とは?知らなかったとしても処罰対象!防ぐ対策を徹底解説

偽造在留カードの増加

偽造在留カードは近年増加傾向にあり、2013年〜2020年の7年間にかけて検挙数は7倍以上になっています。偽造在留カードの増加の背景には、大量生産による偽造カードの低価格化とSNSを使った販売網の拡大が影響しています。



また、2021年11月に実際にあった偽造在留カードの事件では、たった1人が半年だけで3,000枚以上の偽造在留カードも作成したということも明らかになっています。


参照:朝日新聞 

偽造の精度について

また近年の偽造在留カードはその精度も高まっており、本物と見分けがつかない偽造カードが出回っています。そのため目視での偽造確認が非常に困難になっている上に、正規の在留カード番号を使った偽造カードの所持も多く発見されているため、国が提供する在留カード番号の照合サイトを用いた確認でも偽造カードを見破ることはできません。


参照:読売新聞

ビザマネ独自調査で発覚した1年間の偽造在留カード数

2021年8月〜2022年7月の1年間に『ビザマネ』の在留カード偽造チェックアプリで発覚した偽造在留カードは合計で28件です。月別にすると4月の8件が最多で、次いで9月の6件でどちらも偽造在留カード発覚率は1%を超えるという結果となりました。

これらの結果から、9月にかけて偽造在留カードの発覚率が高くなることが予測されます。不法就労助長罪のリスク回避のためにも、外国人雇用の際は偽造在留カードに細心の注意を払いましょう。


偽造在留カードの確認方法

精度の高い偽造在留カードを見分けるためにはどのような方法があるのでしょうか。本セクションでは下記の3つの偽造在留カードの確認方法を順に詳しく解説します。それぞれの確認方法をしっかり理解し、偽造在留カードによる不法就労助長罪のリスクを減らしましょう。

偽造在留カードの確認方法                       
・目視での確認
・在留カード等番号失効情報照会での確認
・在留カード情報読取アプリケーションでの確認



目視での確認

まずはじめに、目視で在留カードを確認する方法を解説します。法務省が推奨する在留カードの偽造防止対策5つと、ビザマネ独自調べから発見した目視での確認項目3つを全て確認することで、精度の高い偽造在留カードを見極めることができます。

法務省が推奨する目視での確認ポイント

透かし文字が入っている、カードを傾けると色が変色するなど、在留カードには元々5つの偽造防止対策が施されています。以下の5つの内容を確認することで偽造在留カードを見極めることができます。

①絵柄が緑色に変化
本物の在留カードを上下に傾けると「MOJ」の文字の周囲の絵柄がピンク色から緑色に変化します。



②証明写真の「MOJ」のホログラムが3D的な動きをする
本物の在留カードを左右に傾けると証明写真の「MOJ」のホログラムが3D的に左右に動きます。



③カードの右端がピンク色に変化
本物の在留カードを上下に傾けるとカードの左側全体が緑色からピンク色に変化します。



④証明写真下の文字の白黒が反転
本物の在留カードを90度に傾けると証明写真下の文字の白黒が反転します。



⑤カード裏面の透かし文字
本物の在留カードを暗い場所で裏面を見ながら表面に強い光を当てると「MOJMOJ…」の透かし文字が見えます。

画像引用:出入国在留管理庁 「在留カード」の主な記載内容

ビザマネ独自調査から得た偽造確認ポイント

近年巧妙に偽造された在留カードが多くなっており、法務省が推奨する確認項目だけでは偽造確認が困難になっています。そこで本記事では、在留カード偽造チェックアプリ『ビザマネ』で実際に発覚した偽造在留カードをもとに最新の偽造の手口とその確認方法も解説していきます。

次の画像の在留カードは2021年5月にビザマネで発見した、実際に使われていた偽造在留カードです。この偽造在留カードは本物とどこが違うのでしょうか。ポイントは3つあります。

外国人労務管理システム「ビザマネ」で発見された偽造在留カード。



【見分けポイント①】在留期間・有効期限の数字が半角

在留期間や左下の在留カード有効期限の数値が全角は半角かを確認してみましょう。これが半角になっている、もしくは半角と全角が両方使われている場合は偽造在留カードの可能性があります。

画像の在留カードは左側が偽造、右側が本物です。比べてみると、偽造在留カードの在留期限や有効期限がすべて半角で書かれています。非常に細かい部分になるので、一度見ただけでは見落としてしまう可能性があります。注意深く確認してみましょう。



【見分けポイント②】右下の角印が綺麗すぎる

在留カードの右下には、交付者の角印が押されています。2019年以降は「出入国在留管理庁長官之印」となっております。

この角印が、左の画像のようにまるで印刷されたかのように綺麗なものは偽造在留カードの可能性があります。本物は右の画像のように、文字や枠がかすれていたり滲んでいたりすることが多いです。



【見分けポイント③】右下の角印が綺麗すぎる

在留カードの表だけでなく裏面もしっかりとチェックしないといけません。下記2枚の画像を見てみましょう。

一見、違いのない2枚のカード。

ただし、資格外活動許可欄と在留資格更新等許可申請欄の黒い太線に注目してください。線内に「MINISTRY OF JUSTICE」という法務省の英字表記が記載されています。

偽造在留カードの枠線にあるアルファベットの文字間隔が不均等。
(上)偽造在留カード
正しい在留カードには文字間隔均等となります。
(下)正しい在留カード

上の画像のような偽造カードには、一つひとつのアルファベットの間隔が不均等となっておりますが、本物は下の画像のように文字間隔が同じです。

また、住居地記載欄の枠線である「MOJ」の文字間隔も違うので細かいところまでを確認することが必要です。



在留カード等番号失効情報照会での確認

次に偽造在留カードかの確認方法として、出入国在留管理庁が提供する在留カード番号失効情報照会から確認する方法があります。

在留カード番号と有効期限の情報をサイトに記載すると、その在留カードが有効かどうかの判定がその場で確認できます。土日祝日を除く、毎日午後5時から午後8時までの約3時間、メンテナンスのために使用できないのでご注意ください。

出入国在留管理庁 在留カード等番号失効情報照会



また、近年では出入国在留管理庁が発行している正規の在留カード番号と有効期限で作られた偽造在留カードが多く発見されています。

その場合、照会サイトだけでの偽造確認では不十分と言えるでしょう。下記の画像は、ビザマネで発覚した偽造在留カード情報で在留カード番号失効情報照会を行った結果になります。偽造在留カードであるにもかかわらず、問合せ結果は「失効していません。」になっており偽造かの判断ができない状況です。





在留カード情報読取アプリケーションでの確認

最後に、在留カード情報読み取りアプリケーションでの確認方法があります。在留カードに内蔵されたICチップ情報を専用のアプリケーションで読み取り、原本とICチップ情報を見比べることで在留カードの偽造確認ができます。

近年では、在留カードの偽変造事案や正規の在留カード情報を用いた偽造カードが多く見つかっていることから、出入国在留管理庁はICチップ読取サービス の利用を推奨しています。

在留カードは日本に正規に在留する中長期在留者に対して法務大臣が交付しているICカードですが、最近、在留カードの偽変造事案が発見されています。
~中略~
入国管理局ではこのICチップ内のデータを読み取るための仕様をホームページで公開しております。この仕様公開により、在留カード読み取り用のソフトウェア等製品が開発・市販されており、これらを使用して読み取った画像と券面を比較することで、真正な在留カードか否かの確認が可能 となっています。

参照:出入国在留管理庁 偽変造在留カードにご注意ください



在留カード偽造チェックアプリ「ビザマネ」

上記の通り、近年の精度の高い偽造在留カードの確認はアプリケーションを用いたICチップ情報での確認が推奨されています。在留カード偽造チェックアプリ「ビザマネ」を用いれば、在留カードをスマホにかざしICチップを読み取り、原本と見比べることで簡単に偽造確認ができます。

ビザマネとは

ビザマネとは、外国人特有の雇用管理を一気通貫して行える雇用管理システムです。在留カードの偽造チェックや就労可否の判定、また偽造チェックから得た従業員情報を自動登録し雇用中の期限管理まで行うことができます。さらに、ビザマネではハローワークへの提出書類の作成や必要書類のデジタル回収などもシステム内で行うことができ、外国人雇用に伴う多くの業務を効率化することができます。

『ビザマネ』について詳しくはこちら

ビザマネで簡単偽造チェック

ビザマネでは、在留カードをスマホ端末に10秒かざすだけで内蔵されたICチップの情報を読み取り画面上に表示することができます。その情報を原本と見比べることで簡単に偽造確認が可能になります。

また専用端末の用意は不要で、ビザマネはスマートフォンに専用アプリをインストールするだけで簡単に利用することができます。
※2022年8月の時点ではAndroid版とiOS版の2種類のアプリがございます。

『在留カード偽造チェックアプリ』について詳しくはこちら

偽造在留カード対策のまとめ

企業が偽造在留カードを提示した外国人を雇用してしまった場合、たとえ気付かなかったとしても不法就労を助長したとして罪に問われる可能性があります。また近年出回っている偽造在留カードはとても巧妙で見た目や透かしもそっくりな上、存在する在留カード番号を利用しているため偽造カードかの見極めが困難になっています。

そのため、目視確認や在留カード番号失効情報照会サイトでの確認だけではなく、必ずICチップ情報を読み取り、原本との比較も行うようにしましょう。

また、今後はさらに精度の高い偽造在留カードが出回り、現在の確認方法だけでは見極めが難しくなる可能性もあります。不法就労のリスク回避のためにも常に最新の偽造在留カード情報を収集し対策を行っていくことをおすすめいたします。