在留資格に関する外国人雇用の基礎知識

在留資格に関する外国人雇用の基礎知識

外国人は誰でも簡単に日本に来て住むことができるわけではありません。まず、日本政府の許可、いわゆる「ビザ」が必要となります。

「ビザ」は、 外国人が日本へ入国しても問題ないと示す書類「ビザ(査証)」と「在留資格」の、2種類があります。

「在留資格」には、外国人が日本で従事できる活動内容も記載されています。それによって仕事ができるかどうかが変わるので、外国人雇用をする前にしっかりと確認しましょう。

「ビザ(査証)」とは

「ビザ(査証)」とは、外国人が日本へ入国しても問題ないと示す書類です。「ビザ(査証)」がないと外国人が日本に入れません。

まず、外国人が日本に来る前に、所在地にある日本の大使館や領事館へ「ビザ(査証)」を申請します。大使館や領事館が、パスポートが有効かどうかを確認したうえ、日本に来る目的を審査して「ビザ(査証)」を発行します。

ちなみに、日本大使館や領事館は、日本の外務省の管轄となります。そのため、「ビザ(査証)」の審査・発給する権限は外務省にあります。

「在留資格」とは

「在留資格」とは、外国人が日本で滞在できる証明です。外国人が日本に来る前に、その目的を国に提出します。そして、審査を行って、適切な「在留資格」を外国人を付与します。「在留資格」によって、外国人が日本で従事できる活動が変わります。

「在留資格」の審査は入国管理局、つまり法務省の管轄となります。

2020年3月時点で、合計29種類の在留資格があります。29種類の在留資格は「地位等類型資格」と「活動類型資格」に分けられます。

「地位等類型資格」

「地位等類型資格」とは、「決められた身分又は地位を有するものとして日本に在留することができる資格」です。例えば、日本人と結婚した外国人が「日本人の配偶者等」の在留資格を与えます。

身分に基づく在留資格なので「身分系の在留資格」とも言われています。また、この在留資格を取得した外国人は、日本で従事できる活動の制限がほぼありません。したがって、日本での就労も問題ないです。

2020年3月時点で、これに分類されている在留資格が「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の4つです。

「活動類型資格」

「活動類型資格」とは、「外国人がそれぞれ決められた活動を行うことによって日本に在留することができる資格」です。

この「在留資格」は、日本ではそれに決められた活動に従事することができます。しかし、それ以外の活動を行うのは基本的に禁止されています。

例えば、「教授」の在留資格を取得した人は、先生や講師以外の仕事をすることはできません。

「在留資格」と「ビザ(査証)」の違

「在留資格」と「ビザ(査証)」の違い

外国人が日本に来る際に、入国審査官がまず「ビザ(査証)」で来日目的を確認します。その後、入国審査官が適切な「在留資格」を外国人に与えて、入国を許可します。

また「ビザ(査証)」は入国のための書類なので、日本に入ったら無効になります。代わりに「在留資格」が、日本に来た理由や証拠になります。

また、「ビザ(査証)」の発給は外務省(日本大使館や領事館)の管轄ですが、入国審査は法務省(入国管理局)の管轄です。審査の基準も違うため、たとえ「ビザ(査証)」を取得したとしても、「在留資格」をもらえず入国できない可能性があります。

在留カード

在留カードは、3ヶ月以上日本に滞在する外国人に与える身分証明書です。入国審査が完了したら在留カードをもらうことができ、日本に滞在する間は常に携帯する義務があります。

在留カードには、外国人の名前、生年月日、性別、国籍・地域、日本での住所、在留資格、在留期限、就労の可否などを記載されています。16歳以上であれば顔写真もあります。

外国人を雇用する時は、在留資格と就労制限を確認しないといけません。そのため、在留カードを提示してもらうことが必要です。しかし、偽造の在留カードも増えていますので、本物であることを確認しましょう。

くわしくはこちらの記事を:偽造された在留カードを利用させないために

在留カードを交付されない対象

在留カードは、次に該当する人には交付されません。

  1. 在留期限が3ヶ月以下の人
  2. 「短期滞在」の「在留資格」の人
  3. 「外交」「公用」の「在留資格」の人
  4. 「特別永住者」(在日韓国人、在日朝鮮人など)
  5. 「在留資格」がない人

5.の「在留資格」がない人というのは、密入国する人のような不法滞在者を指します。

「在留資格認定証明書」

「在留資格認定証明書」とは、法務大臣が発行する、入国する外国人が「在留資格」のいずれかに該当することを認定する証明書です。

外国人が「ビザ(査証)」を申請するとき、外務省の管轄である日本大使館や領事館が外国人のパスポートや来日の目的などについて審査を行います。外国人の来日の目的について審査ができたら、外国人に「在留資格認定証明書」を発行します。

2020年3月現在は、外国人が「在留資格認定証明書」をもらってから日本大使館や領事館へ「ビザ(査証)」を申請するのが一般的です。

ちなみに、「在留資格認定証明書」が発行されても「ビザ(査証)」を必ず発給されるわけではないですので、覚えておきましょう。

「在留資格認定証明書」の有効期限

「在留資格認定証明書」は発行後3ヶ月の有効期限がついています。注意点として、その有効期限は「ビザ(査証)」が取得するまでの期限ではなく、日本へ入国する期限です。

また、「在留資格認定証明書」を発行された後3ヶ月以内に、日本に入国してない場合は「在留資格認定証明書」も「ビザ(査証)」も失効となります。改めて申請する必要があります。

「在留資格」の種類

2020年3月時点で、在留資格は29種類あります。外国人が日本に滞在するためには、必ずどれか1つの「在留資格」をもっていなければなりません。「在留資格」がないのに日本にいるのは「不法滞在」となります。

在留資格説明
地位等類型資格
永住者法務大臣から永住 の許可を受けた者
日本人配偶者等日本人の配偶者・子・特別養子
永住者配偶者等永住者・特別永住者の配偶者及び本邦で出生する子
定住者第三国定住難民、日系3世、中国残留邦人
活動類型資格
留学教育機関の学生・生徒
家族滞在在留外国人が扶養する配偶者・子ども
特定活動法務大臣が一人ひとりの外国人について特に指定する活動を行う者
短期滞在観光客など90日以内の滞在者
外交外国政府の大使や公使、およびその家族
公用外国政府の大使館や領事館の職員、およびその家族
教授大学や専門学校の教授や研究者
芸術作曲家や小説家など音楽、美術、文学の仕事を従事する者
宗教布教や宗教活動を行う者
報道記者やカメラマン
高度専門職
1号法務省令で決める基準に適合する高度人材
2号法務省令で決める基準に適合する高度人材
経営・管理企業の経営者や管理者
法律・会計業務弁護士や公認会計士
医療医師や歯科医師や看護師
研究政府機関や私企業の研究者
教育教育機関での語学教師
技術・人文知識・国際業務通訳や技術者や私企業の語学講師など(就労ビザだと言われている)
企業内転勤日本企業の海外支店から日本への転勤者
介護介護福祉士
興行俳優、歌手、スポーツ選手など
技能外国料理の調理師など、産業上の特殊な分野に熟練した技能を要する業務を従事する者
特定技能
1号特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人
2号特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人
技能実習生
1号
技能実習生
2号
3号
文化活動日本文化の研究者など
研修研修生

また、「在留資格」には在留期限と呼ばれる有効期限があります。在留期限が切れてしまうと「在留資格」が失効となるので、そのまま日本に居られません。日本に引き続き残りたい時は更新が必要となります。

「在留資格」の取り消しについて

「在留資格」が期限内で失効する場合があります。主には2つあります。

ひとつめは、外国人が1年以上の懲役が科された場合。もうひとつは、「在留資格」に決められた活動を3ヶ月以上に従事していない場合。例えば、「技術・人文知識・国際業務」と呼ばれる就労ビザの外国人が3ヶ月以上就職せずそのまま日本にいると「在留資格」が失効となります。

まとめ

外国人が日本に来る時は、必ず「ビザ」が必要となります。「ビザ」は、外務省が管轄している日本大使館や領事館が発行する「ビザ(査証)」と法務省管轄 入国管理局が外国人に付与する「在留資格」です。

「在留資格」は、外国人が日本で行える活動です。そのため、「在留資格」によって雇用できるかどうかが変わりますのでしっかり認識する必要があります。